![]() 五十嵐太郎著 「結婚式教会」の誕生 春秋社 を読みました.興味深い内容です. 1990年代から,結婚式のためだけに建てられた教会(=結婚式教会)が日本各地で増殖中. ブライダル業界が生き残りをかけて,ウエディング・チャペルを建設している. ウエディング・ドレスを着たいという花嫁の願望を叶える西洋風の建物.それは 大聖堂を連想させるゴシック様式が多い(しかし不十分な模倣によって様式は崩れる). バージンロードの長さは重要なスペック,劇的な演出効果を生み出す「階段」は必須. そのほかステンドグラス,パイプオルガン,白人の牧師(ニセモノでもかまわない)・・・という フォトジェニックな舞台装置,それらは記号としての本物らしさであり,使い捨ての存在である. 専門家からは商業主義に毒されたイカガワシイ建築(過去のラブホテルのデザインと同様に) と思われている結婚式教会に数百万単位の金をつぎ込む日本人の結婚観と,建築感,,ブツブツ 日本でのキリスト教やその教会の歴史,婚姻の歴史,ブライダル業界の歴史のほか,外国の 教会建築,アトリエ系の建築家の設計したホテルや教会も紹介されていて読み応えあり. 思わず笑ってしまう箇所がところどころにある. 外国人牧師がいいと言っても,インド人の本物の牧師さんが現れるとクレームが,,. ブリティッシュ・テイストをウリにしているのに建物の名称はフランス語,,.キッチュな日本です. このような世界が私と繋がっているのだ.と思うと複雑な気持ちがしなくもない.いや,これが 日本ですよね☆ おもしろそうな「結婚式教会」の写真を撮りに出かけたくなりました.
by artigana-g
| 2007-12-29 21:22
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Comments(4)
ハリウッド映画で出てくる日本建築っぽいセットや、歌舞伎っぽい化粧などを見ると、日本で作られている「洋物」も、それと同じレベルなのかな、と心配です。
でも、まあ、それも含めて、日本文化なのかもしれません。
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erialieさん
ヨーロッパから見ればマンハッタンの古い建築でさえキッチュ扱いらしいので, よその国の文化を取り入れるとそんなレベルになってしまうのかもしれませんね. 世界中で同じようなことになっているのではないでしょうか. 今日の朝日新聞に↑の記事が載っていたのでちょっと驚きました. ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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