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『「国境なき医師団」を見に行く』いとうせいこう
『「国境なき医師団」を見に行く』いとうせいこう_b0055196_12570928.jpg
(誰もが健康でいられることは人間の基本的権利である)


本文より
スタッフたちは難民となった人々の苦難の中に、何か自分たちを動かすもの、あるいは自分たちを超えたものを見いだしているのではないかと思った。・・・彼らは死ななかったのだ。苦難は彼らを死に誘った。しかし彼らは生き延びた。そして何より、自死を選ばなかった。そのことそのものへの「敬意」が自然に生じているのではないか。・・・善行を見て偽善とバカにする者は、生き延びた者の胸張り裂けそうな悲しみや苦しみを見たことがないのだ。むしろ苦難を経た彼らを俺たちは見上げるようにして、その経験の傷の深さ、それを心にしまっていることへの尊敬を心の底から感じる。

高架の壁にスプレーで大きくこう書かれていた。
NO BORDERS
その言葉は受け入れる側の歓迎、あるいは難民側からの強いメッセージにも見えた。俺たちは常に境界を作っている。国境を、心理の境を、宗教や人種の壁を。それが誰かの苦境を生み出しているのだ。

彼らは困難を前にするとたいてい笑う。そして目を輝かせる。そうやって壁を突破することしかないことを、彼らは世界のどん底を見て知っているのだと俺は思っている。

by artigana-g | 2020-01-28 13:13 | 日々 | Comments(2)
Commented by 梅太郎 at 2020-02-17 15:18 x
読んでみたくなりました。いとうせいこう氏が書かれているのも、気になる要因です。ご紹介ありがとうございます。
Commented by artigana-g at 2020-02-17 15:50
梅太郎さん
はじめまして.コメントありがとうございます.
是非読んでみてください.
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