初めて"ku:nel"という雑誌(マガジンハウス)を買いました.
記事の中に,製本(手で作る本)の話題があったので. 2年程前,装丁家・栃折久美子さんの「ルリユール工房」という 製本のカルチャースクール(池袋コミュニティカレッジ)に1年間通っていました. あるお店から「オリジナルのアルバムを作れないかなぁ」と言われまして, 半端な手仕事はいやだなと思い,どこかで教えているところはないかと探しましたら, ルリユール工房にたどり着きました. ルリユールとは,フランスの製本工芸で, 1冊の本を仕上げるのにとても手間隙のかかる伝統的な技術なのです. これをまともに習っていたら大変なので, 私の場合は,ブライダル用のアルバムを作りたいので,と先生に御相談しまして, そういうカリキュラムを組んで頂きました. 先生は一つ一つの工程をていねいに作ること,手際のよさが大事であること,を 教えてくださいました. 本というものは,「直角」が大事で,それが正確にできていないと ゆがんだ本になってしまいます. 紙は水を含むと伸びてしまうので,のりをひいたら手際よく貼っていかなくてはなりません. プレスするときも(立派なプレス機で),慌ててはいけないけど,のんびりしない事. 私の場合は表紙が,白いシルクの生地だったり,ビーズの刺繍がある生地だったり, スパンコールが付いてる生地だったりと,めずらしかったのか, 生徒の皆さんがいつものぞきにきていました. この工房でアルバムや簡単な手帳くらいは作れるようになりました. ブライダル小物に,接着剤を抵抗なく使えるようになりました.(接着剤は便利です.) 「へら」という道具を使うことを覚えました.(へらで生地の厚みをつぶします.) ていねいな仕事を積み重ねていって,キレイなものが作れる.という事を改めて感じました. お仕事のための習い事でしたが,いろいろな事を教えて頂きました. "ku:nel"の記事を読んでいたら,またやってみたくなりました. 刺繍の表紙のノートとか,自分の作品のためのオリジナルの本とか.
by artigana-g
| 2004-12-12 19:03
| 職人
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Comments(2)
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eimy24 at 2004-12-16 22:11
栃折さん、すごく昔、「暮らしの手帖」だったか、「ミセス」だったかにルリユールのことを連載してらして。まだまだ「装丁」なんてマイナーだった
頃です。私は海外ミステリ専門で、そういうの読んでると「装丁」や 「ハーブ」のことが良く出てくるんですね。もう20年くらい前の話ですが。 蔵書印、蔵書票、装丁・・・本に関する事にはすごく興味あるんですが、 なにせ不器用で・・・。でも、持っているお聖書にはスエーデン刺繍の お手製ブックカバーをかけてみました。
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artigana-g at 2004-12-17 09:03
eimy24さん
栃折先生は,随分高齢になられていましたが, いつもカジュアルな可愛いお洋服を着て,とってもおもしろい方でした. こういうおばあさんになりたいなぁって思いました. スウェーデン刺繍,なさるのですか?ステキです. 私もいろいろな刺繍試してみたいです.
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